平屋の価格は高い?ハウスメーカーで建てる際の費用相場

平屋は費用が高い?工夫次第で予算内に収まることも
「平屋は高いのでは?」──家づくりを考えると、多くの人が抱く疑問です。
確かに、平屋は横に広がる分だけ基礎や屋根が大きくなり、工事費が増えがち。都市部では土地代も重くのしかかります。
ただ、必ずしも「平屋=高額」とは限りません。 間取りをコンパクトにまとめたり仕様を工夫すれば、2階建てと近い費用で建てられることもあります。実際にローコスト住宅を選んだ人からは「思ったより負担が軽かった」という声も。
このコラムでは、ハウスメーカーで建てる際の費用感や事例を取り上げ、平屋の費用の実態を整理していきます。
埼玉・千葉・東京で平屋を検討している方は、ポラスグループ(対応エリア:埼玉・千葉・東京)の「モクハウス」にご相談ください。

平屋の費用はなぜ高いといわれるのか?
「平屋はどうして高くなることが多いのか?」──住宅展示場や相談会で、説明を受けたときに誰もが一度は抱く疑問です。実際に2階建てと比べると費用が割高になるケースがあるのは事実ですが、その背景にはいくつかの理由があります。
基礎と屋根の工事が大きくなる

最もわかりやすいのは建物の構造上の違い です。
たとえば延べ床面積30坪の住宅を考えてみましょう。
2階建てなら15坪ずつに分けて建てられますが、平屋は1階に30坪をすべて配置することになります。
その結果、基礎と屋根の面積が広くなり、資材や工事費が余分にかかってしまうのです。「屋根工事の見積もりが想像以上に高かった」と驚いた施主の声もよく聞かれます。
土地代の影響が大きい

さらに都市部では土地の広さ がネックになります。
2階建てなら狭い敷地でも建てられますが、平屋は横に広がるため、ある程度の広さが必要です。「建物本体より土地代の方が負担だった」という人がいる一方、「郊外に土地を移したことで平屋でも余裕を持って建てられた」という声もあります。つまり、同じ平屋でも都市部と地方ではまったく違う金額になるのです。
設計の自由度とコストの関係

平屋は設計の自由度が高く、L字型やコの字型、中庭を取り入れるなど、希望を反映しやすいのが魅力です。
しかし自由度が高いほど外壁や屋根が増え、コストも膨らみます。実際に「デザインにこだわったら予算を超えてしまった」という声もあれば、「四角いシンプルな形にしたらむしろ安くなった」という事例もあります。
設計の選び方
が、そのまま費用に反映されるのです。
■体験談からわかること
あるご家庭は「土地代が想定以上に高く、間取りを変更することになった」と振り返ります。別のご家庭は「外観をシンプルにまとめたら、思った以上に予算内に収まった」と話していました。
平屋の価格は一律ではなく、土地条件や設計のこだわり次第で大きく変わる ということです。
「平屋=高い」と一言で片づけられないのは、こうした背景があるからです。
皆さんも、自分なら“土地に重きを置くのか、建物の仕様に投資するのか”を考えてみると、見積もりの比較がぐっとしやすくなるでしょう。
ハウスメーカーで建てる平屋の費用相場はいくら?
では、いったい平屋を建てる際の費用相場はいくらなのでしょうか。
特にハウスメーカーに依頼する場合は、工務店やローコスト住宅より費用がやや高めになる傾向があるため、あらかじめ費用相場を理解しておくことが安心につながります 。
坪単価の目安

住宅価格を語るときによく登場するのが「坪単価」です。
2階建ての一般的な坪単価は60万〜80万円程度ですが、平屋の場合は基礎や屋根が広がる分だけ10万〜20万円ほど高くなり、70万〜100万円前後が目安とされています。
ただし、この坪単価はあくまで建物本体の工事費を示すケースが多く、外構や地盤改良、上下水道の引き込み、登記費用や保険などは別途発生します。
そのため「坪単価だけを見て計算したら、最終的に1〜2割増しになっていた」という話はよく聞かれます。費用を考えるときは、この“見えにくい部分”
も加味することが欠かせません。
実際の費用感

大手ハウスメーカーで延床30坪前後の平屋を建てる場合、相場は2,100万〜3,000万円ほど。
高断熱・高耐震といった性能や長期保証が標準で含まれるため「高いようで安心感もある」と考える人が多いようです。
実際に建てた人からは「保証内容がしっかりしていて安心できた」という声もあれば、「仕様を標準に抑えれば想定内に収まった」という声も聞かれます。
一方、ローコスト住宅メーカーを利用すれば1,500万〜2,000万円台に収められる例もあります。工務店に依頼して「希望の間取りを取り入れつつ、大手より安くできた」という声も少なくありません。
費用面と自由度のバランス
をどう取るかが大きなポイントです。
地域差に注意

価格を大きく左右するのは 土地代 です。
国土交通省の調査でも示されている通り、首都圏の注文住宅は全国平均を大きく上回ります。土地代込みで5,000万円を超える事例も多く、「建物より土地代の方が大変だった」と語る施主もいます。
反対に、地方や郊外であれば30坪規模の平屋でも3,000万〜3,500万円程度に収まるケースが目立ちます。北海道や九州など土地価格が安い地域では「平屋でも余裕を持って建てられた」という声が目立ち、地域による差は非常に大きいのです。
■比較してわかること
同じ30坪の平屋でも、都会で土地を買って建てれば5,000万円近く、地方でローコストメーカーを選べば2,000万円台──倍以上の差が出ることもあります。
数字だけを見ると「高い」と感じるかもしれませんが、性能・保証・立地条件まで含めて比較することが大切です。価格だけに目を奪われると、肝心の暮らしや安心感を見失ってしまうでしょう。
平屋の価格を抑えるにはどうすればよい?
「平屋は割高になりやすい」と言われますが、実際に建てた人の体験談を聞いてみると「工夫すれば意外と予算に収まった」という声も多くあります。
つまり平屋の費用は一律ではなく、 建て方や選び方によって十分に調整可能 なのです。ここでは、現実的に取り入れやすい工夫のポイントを整理してみます。
シンプルな間取りにまとめる

平屋は設計の自由度が高いため、L字型やコの字型、中庭付きのデザインなど魅力的な案に惹かれる人も少なくありません。しかし、外壁や屋根の面積が増えるほど工事費は跳ね上がります。
反対に、長方形や正方形に近いシンプルな形にまとめれば、材料の無駄が減り、職人の作業効率も上がります。「廊下を減らして居室をコンパクトにしたら坪単価が下がった」という事例もあり、費用だけでなく家事動線の短縮といったメリットも得られるのです。
設備や仕様にメリハリをつける

最新設備や高級素材をすべて取り入れると、費用はあっという間に膨らみます。大切なのは優先順位をはっきりさせること です。
あるご家庭では「毎日使うキッチンやバスルームはグレードを上げたけれど、外構は後から整備することにした」と話していました。
こうした判断で数百万円単位の差が生まれることもあります。まずは「生活で一番重視する場所はどこか」を考えると、納得感のある選択がしやすいでしょう。
規格住宅やローコスト住宅を活用する

自由設計にこだわらず、あらかじめ用意された 規格住宅のプラン を選ぶのも有効な方法です。
プランが決まっている分、資材の発注や施工が効率化され、価格を抑えやすくなります。
「規格プランを選んだことで工期が短縮され、引っ越し費用も節約できた」という声もあり、総合的に見れば大きな効果を生みます。25坪程度のシンプルな平屋なら、1,600万円台で建てられたという実例もあります。
補助金や制度をフル活用する

国や自治体の補助金
も無視できません。
たとえばZEH(ゼロエネルギー住宅)補助金や長期優良住宅の支援制度などは、100万円以上の助成につながることがあります。
また住宅ローン減税
を組み合わせれば、10年間で数百万円規模の控除を受けられる可能性も。
ある施主は「本体価格は想定より高かったが、補助金と減税で最終的な負担感は軽くなった」と話していました。制度の条件を早めに調べておくことが、予算コントロールの大きな助けになります。
工事の効率を意識する

平屋はワンフロアで完結するため、施工のしやすさという利点もあります。
ただし複雑な屋根形状や特注の建具を取り入れると、その利点はすぐに消えてしまいます。標準仕様をベースに、必要な部分だけ工夫を加えることで、職人の手間を減らしながらコストも抑えられるのです。
ハウスメーカーでも工務店でも共通して「工事のしやすさ」を意識することが、費用を抑える秘訣といえます。
データで見る平屋の費用相場
平屋の費用を考えるとき、やっぱり「データ」が気になる方は多いでしょう。
ただし、数字だけを見ても実感はつかみにくいもの。そこで、代表的な調査結果をかみくだいて整理してみます。
■国土交通省「住宅市場動向調査」
令和6年度版では、注文住宅(土地込み)の全国平均はおよそ6,188万円。数字だけを聞くと「そんなに?」と驚くかもしれません。
でも実は中央値が約5,030万円とされています。
つまり一部の高額事例が平均を押し上げているわけで、都市部と地方とでは実態がかなり違うのです。首都圏のように土地代が高い地域では平均に近い金額になりやすく、逆に地方では中央値に近い水準に収まるケースが多い、というのが実情です。
■住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」

こちらの2024年版では、注文住宅(建物本体)の平均費用は3,300万円前後。ただしその中には2,000万円台で建てた世帯も一定数あります。
この結果を見ると「みんなが高額な家を建てているわけじゃない」とわかります。ローコスト住宅や規格型プランをうまく利用して、予算を抑えている層が存在するということです。
■リクルート住まいカンパニー「注文住宅トレンド調査」
この調査では「世帯年収と住宅価格の関係」や「子育て世代が教育費と建築費をどう両立しているか」といったリアルな傾向が紹介されています。
数字以上に参考になるのは、「各家庭がどう優先順位をつけているか」。ある家庭は「内装は質を落とさず、外構は後回しにした」、別の家庭は「子どもの教育費を重視して延床面積を少し抑えた」。そんな判断の違いが垣間見えるのです。
■ハウスメーカーの公開情報

大手ハウスメーカーのシミュレーションでは、延床30坪前後の平屋は2,500万〜3,500万円が一つの目安。保証や性能を含めるとこのくらいが標準ラインといえるでしょう。
一方で、ローコスト住宅メーカーなら1,500万〜2,000万円台のプランもあり、「選ぶ会社や仕様次第で大きく変わる」という現実を示しています。
リアルな事例から見る平屋の費用と満足度
平屋の費用は数字だけでは語り切れません。
実際に建てた人たちの声を聞くと、「思ったより高かった」と感じる人もいれば、「工夫したら十分に予算内に収まった」と笑顔で振り返る人もいます。ここでは、異なる立場の家庭のリアルな体験談をいくつか紹介します。
■子育て世帯のケース

30代前半のご夫婦は、当初は2階建ても視野に入れていました。
しかし「小さな子どもが階段でケガをしないか心配」という理由から平屋を選択。
都心での建築は難しいと判断し、郊外に土地を購入しました。土地代は想定より安かったものの、建物の仕様にこだわったため当初の予算を少しオーバーしたそうです。
それでも「リビングで遊ぶ子どもの姿をどこからでも見守れる安心感は何物にも代えがたい」と夫婦は語ります。間取りもリビング中心型にして、家族の距離が自然と近くなる空間を実現しました。
費用はかかりましたが、育児の安心感と暮らしやすさ
が得られたことで満足度は高いようです。
■シニア夫婦のケース

定年を控えた60代ご夫婦は「老後を考えると階段の上り下りは避けたい」と平屋を選びました。
2階建てより建築費は高めでしたが、長期的な視点で「将来リフォームでバリアフリー化するより、最初から平屋にした方が結果的に安心」と判断。
さらに立地も工夫し、病院やスーパーが近い場所を選んだため「生活全体の利便性が上がった」と振り返ります。
知人が老後に2階建てを大改修した様子を見て「やはり早めに決断して正解だった」と納得しているそうです。
費用だけでなく、安心や快適さ
をどう評価するかによって満足度は変わる好例といえます。
■ローコスト派のケース

「平屋は高い」と思っていた40代夫婦は、ローコスト住宅メーカーの規格プランを選択しました。
間取りの自由度は制限されましたが、建物本体価格を大きく抑えることができ、総額は1,700万円台で収まりました。外構や庭は将来的に自分たちで少しずつ整える予定です。
「豪華さはないけれど、必要な部分にだけお金をかけたので不便はない。むしろ無理のない返済計画を立てられたことが一番の満足」と語っていました。
経済的な安心感
を重視する家庭にとって、ローコスト住宅は現実的で魅力的な選択肢になります。
■比較して見えてくること
これらの事例からわかるのは、「高いか安いか」の印象は家庭ごとに大きく違うということです。子育て世帯は安全性と暮らしやすさに価値を置き、シニア世帯は将来の安心にお金をかける。一方でローコスト派は経済的な安定を重視する。
つまり、平屋の満足度は“金額そのもの”よりも “自分たちが求める暮らしを実現できたかどうか” に左右されるのです。
平屋の価格と費用に関するよくある質問
平屋を検討すると、展示場や相談会で必ずといっていいほど出てくるのが「お金」にまつわる質問です。ここでは、実際によく寄せられる疑問を取り上げ、わかりやすく答えていきます。
Q. 平屋と2階建て、やっぱり費用はどちらが高い?

一般的には平屋の方が高くなるケースが多いです。
理由は、基礎や屋根の面積が広がるから。ただし土地条件や設計の工夫次第では、2階建てとほとんど変わらない金額に収まることもあります。
実際に「形をシンプルにしたら2階建てと同じくらいだった」という人もいれば、「中庭を作ったら見積もりが一気に跳ね上がった」という人も。要は“何を重視するか”で結果は変わります。
Q. ハウスメーカーと工務店では平屋の費用に差はある?
あります。ハウスメーカーは標準仕様や保証が手厚く、費用は高めですが安心感があります。工務店は柔軟に対応できるため、同じ広さの平屋でも数十万〜百万円単位で安くなることも。
「地元工務店に頼んだら、希望の間取りを取り入れつつ100万円以上安かった」という声もある一方、「保証の長さでハウスメーカーを選んだ」という人もいます。単純な安さだけでなく、長期的な安心も含めて比較するのがおすすめです。
Q. ローコスト住宅でも平屋は大丈夫?

はい、建築基準法を満たしていれば基本的に問題はありません。ただし仕様や性能には差があります。断熱材や外壁材のグレードはしっかり確認しておくべきポイントです。
展示場でも「この価格なら手が届く」と安心される方が多いですが、「断熱性まで見ていなかった」と後悔した人もいます。コストを抑える場合こそ、見えにくい部分の確認が大事です。
Q. 平屋の坪単価はどれくらい?
大手ハウスメーカーでは70万〜100万円程度、ローコストメーカーなら50万〜70万円台もあります。「2階建てと変わらない水準で建てられた」という例もあります。
ただし前章でも触れた通り、坪単価は建物本体だけを示すことが多いので要注意。外構や諸費用まで含めると、最終的には1〜2割上がるケースが多いです。
Q. 土地込みで平屋を建てるといくら?
都市部なら30坪の平屋でも5,000万円を超えるケースが珍しくありません。土地代が大きな負担だからです。
一方で郊外や地方では3,000万円台で建てられる事例もあり、「都会では手が出なかったけれど、少し郊外にしたら現実的な費用になった」という声もあります。
Q. リフォーム費用は平屋と2階建てで違う?

はい、違います。平屋は高所作業が少ないため、屋根や外壁の修繕費が比較的安く済みやすい傾向にあります。逆に、床面積が広いため内装リフォームでは平屋の方が高くなる場合も。
一方、2階建ては足場を組む必要があるため、外装リフォームが高くなりがち。どちらも一長一短です。
Q. 平屋の資産価値はどう?
最近は「階段のない暮らしやすさ」が注目され、平屋の需要は確実に増えています。中古市場でも一定の評価を得やすい傾向があります。
ただし立地条件の影響は大きく、都市部では依然として2階建ての人気も根強いのが現状です。「売却を考えるなら土地条件とセットで評価される」という点は忘れない方がいいでしょう。
まとめ|平屋の価格は高い?費用と価値をどう見るか
平屋は「高い」と言われがちですが、今回見てきたように一概には判断できません。土地の条件や設計の工夫、どこにお金をかけるかによって、同じ30坪でも数百万円単位で差が出るのが現実です。
都市部では土地代が重くのしかかり「平屋は手が届かない」と感じる人もいれば、郊外に土地を移したことで「意外と予算内に収まった」という人もいます。また、同じ平屋でも、中庭や回遊動線にこだわれば高額になり、シンプルな四角い間取りにすれば驚くほどコストダウンできる。つまり、価格そのものよりも「自分たちの暮らし方」をどうデザインするか がカギになるのです。

そして忘れてはいけないのは、費用では計れない価値です。
階段のない生活の安心感、子どもを見守れる一体感、老後まで段差を気にせず暮らせる安心──これらは見積書の金額では表せません。ある人は「高かったけれど、その分安心を買えた」と語り、別の人は「ローコストでも必要十分。無理のない返済が一番の満足」と笑顔で話していました。結局のところ、答えは人それぞれ
です。
皆さんも、「自分なら何を優先したいか?」と考えてみてください。
おしゃれな外観なのか、家事のしやすさなのか、将来の安心感なのか。基準を明確にするほど、予算の中で納得のいく選択がしやすくなります。
埼玉・千葉・東京で平屋を検討している方は、ポラスグループの「モクハウス」にお気軽にご相談ください。
具体的な費用シミュレーションや、実際に建てた方の事例を聞くことで、「思ったよりも身近だ」と感じられるかもしれません。
大切なのは、 数字だけでなく“自分たちに合った暮らしの形”を見つけること。
それが、平屋の価格・費用をどう捉えるかにつながるはずです。
